渡邉晴美 画
生涯自分の歯を使う
という生き方
それは、人生100年時代となった現在では、自分の歯を100歳まで使う生き方。
歯科医師・齋藤博は、ハンドメイド医療とペリオ・クリーニングを47年間実践してきたことで、
100歳まで自分の歯を使うことを現実にしました。
人生100年時代、100歳まで健康寿命を保つ
「ボケたり寝たきりになってまで生きたくない」という言葉をよく耳にします。たしかに、健康寿命が尽きると、健康だったころがみんな夢の中になってしまいます。
人生100年時代、目標をもって100歳まで健康寿命を保つ人生設計が必要です。しかし、現実の健康寿命は75歳前後と短く、75歳で健康を損ねてしまうと、100歳まで生きながらえても、残りの25年は苦痛の人生となりかねません。
100歳まで健康寿命を保つためには、100歳までおいしく食べられることがとても大切ですが、歯の寿命を延ばす正しいケアをしていない限り、問題なく使用できる歯の寿命は70歳前後と短く、しかも、失った歯を補わずに放置してしまうと、失った歯に加わっていた力が残りの歯に加わり、残りの歯の寿命はさらに短くなってしまいます。
「生涯自分の歯を使えるようにする」を目標として、47年間にわたる齋藤博のハンドメイド医療とペリオ・クリーニング技術が、100歳まで目標を持って生きる人々の夢をかなえることに役立ちます。
92歳
齋藤博の「生涯自分の歯を使う」に挑戦し続けた47年
私は、1977年開業の際、「生涯自分の歯を使えるようにする」を歯科医人生の目標としました。生涯自分の歯を使うためには、歯を失う主な原因の歯周病と虫歯問題を解決することでした。
虫歯に関しては、私の手になるハンドメイド技術を高度化することで解決することにしました。しかし、歯周病治療は未知な分野で、外科処置を行っても、歯周病の再発は当たり前でした。
解決の糸口は、1982年のことになりますが、数ヶ月ごとに歯周ポケット内を管理することで歯周病の進行を止められるという歯周病学者(米国)の論文に出合ったことです。
私の知る限り、日本では誰も行っていない治療法のため、試行錯誤しながら実践しました。必要な指導を行いながら、歯周ポケット内の消毒・清掃を開始してから数ヶ月経た段階で、すべての患者さんで、痛い思いをして外科処置を受けた時よりも歯周病が改善されました。
この方法こそが、これからの歯周病治療となると確信できたため、実際に運用するための規格化をして、1985年に「ペリオ・クリーニング」(以下P.cl)と命名して本格導入しました。
48歳 初診時
23年後
他の歯科医院から抜歯を勧められた患者さん(48歳)の写真が左側です。
手の施しようもない歯周病末期で、すべての歯が抜歯されるのを待つ段階でした。
抜歯してしまえば終わりなので、さっそくP.clを開始しました。藁にもすがる心境の患者さんは、指示通りのブラッシングを励行しながら、3ヶ月毎のP.clを受け続けました。
その甲斐あって、歯周病の進行が止まり、多くの歯を抜歯せずに残せ、義歯を使って何不自由なく食べられます。
義歯を外した23年後の写真が右側です。この時、多くの人が歯を失っても不思議はない71歳となっていました。
48歳で自分の歯をすべて失ったのと、71歳になった時にこれだけの歯が残っていたのとでは、生きる張り合いが違っていました。
齋藤 博
さいとう ひろし
突然襲った新型コロナにより、3ヶ月毎の来院が不可能となったP.cl会員が大勢現われたため、
2021年に36年間継続してきたP.clの効果を検証してみました。
1年以上継続された会員243人の会員期間を表にしてみました。
他の歯科医院で抜歯される歯まで抜歯せずにP.clでケアした結果、10年以上継続された125人(赤い数字の合計)のうち68人が、次々に歯を失ってゆく50~89歳という年齢にもかかわらず、会員期間中に1本も歯を失っていませんでした。
特に、こちらの指導を守り続けた会員の多くは、20~30年以上経過しても歯を失うことはありませんでした。
さらに調査したところ、歯を失った57人の会員は、失わなかった68人よりTCHリスクが高いことが判明しました。
歯を失った原因の58%が歯が横にゆすられることで歯が抜けた、39%が無理な力が掛ることで歯根が割れて保存が不可能になったという事実から、歯の喪失原因の97%にTCHリスクが影響していました。
このことから、TCHを是正する事は、100歳まで自分の歯を使うための絶対条件だということに気付きました。
“セルフケアこそが、100歳まで自分の歯を使う原点”
「生涯自分の歯を使えるようにする」という目標を立てて47年経過しました。
その間、他の歯科医院で抜歯を勧められる歯を抜歯せずに長期使用することに挑戦。
そして、100人以上のP.cl会員を10年以上3ヶ月毎にケアしながら、口腔内の経年変化を観察してきました。
こうした研究で、いままで年齢と共に歯を失うのは仕方がないと信じられていましたが、必要なケアが出来れば100歳まで(自分の歯を)使える可能性がみえてきました。
100歳まで自分の歯でおいしく食べる事が夢ではなくなったのです。
しかし、私の研究は特別な物ではなく、ペリオ・クリーニング来院の際に、放置してはいけない生活習慣を見つけてアドバイスしてきたことと生涯使用することを前提とした手作りの歯科治療を行ってきただけです。
しかも、アドバイスしてきたことは3つだけです。
3つのことを正しく守り続けることができれば、歯科医に頼ることなく、自らの努力で守ることが出来ます。
3つを知っていただくために、読んでいただきたい本があります。
それは「100歳まで自分の歯を残す4つの方法」(講談社刊)です。
この本は、2013年3月に発売後、2019年5月に改訂新版となり、台湾版と韓国版も出版されています。
生協でもたびたび紹介された実用的な指導書となっており、現在2万部以上発売されています。購入されなくても、最寄りの図書館に所蔵されている可能性があります。
この本を手に取り、第3章・第4章・第5章を熟読して正しく実践してください。
間違いなく歯の寿命は延びます。100歳まで自分の歯を使うことも夢ではなくなります。
100歳まで自分の歯を残す4つの方法
3つのアドバイス
第3章より
“歯の接触時間を減らす”
第4章より
“砂糖を極力とらない”
第5章より
“1日1回、
正しい歯磨きをする”
このページの一番下に
(参考)自分の歯を100歳まで使うために避けるべき口腔ケアと歯科治療
を掲載しています。ぜひご覧ください。
サイトウ歯科と出会う
セルフケアで自分の歯を守ることが一番大切です。しかし、セルフケアだけでは解決できない歯科治療をサイトウ歯科での受診を希望される読者には、「医療相談」という出会いを設けています。
当院は、著者である齋藤博が、本人の手になるハンドメイド医療を自由診療だけで行っており、誰にでもお勧めできる医療機関ではありません。「医療相談」では、本当に探し求めていた医療機関か否かを知っていただきます。
「医療相談」から「ペリオ・クリーニング」までの流れ
1「医療相談」
「医療相談」を受けていただくためには、あらかじめ電話予約していただきます。
所要時間は50分で、費用は30000円となります。お口の中全体のレントゲン写真を1枚撮ってから、相談内容をお聞きします。その際、歯科治療は行いません。
歯科医により診断や治療方法が異なります。例えば、1本の歯を巡っても、「抜いて、インプラントにしましょう」「抜かずに治療しましょう」「そのまま様子をみましょう」とさまざまです。
したがって、相談だけでその後の検査や治療を受ける予定がない場合、「医療相談」は無駄なものになります。
2「診断のための精密検査」
検査内容は、歯型をとる・CT撮影・歯周病検査・口腔内写真・質問表記入などです。
所要時間は1時間で、費用は80000円です。
3「コンサルテーション」
「診断のための精密検査」受診後、精密検査と別の日になりますが、治療内容・治療費用・治療期間を具体的に説明します。「コンサルテーション」の所要時間は1時間で、費用はいただきません。
4「生活習慣指導」と「歯科治療」
「生活習慣指導」では、診断結果の問題点を解決するためTCHリスクの是正指導や歯周病管理といった基本指導を行い、歯科治療後に入会していただく「ペリオ・クリーニング」へとバトンタッチしてゆきます。
「歯科治療」は、保険診療のように1本の歯の治療を終えたら次の1本という歯科治療でなく、口腔内を一単位としてまとめて治療するため、多くの歯にトラブルがあっても短期間に終了します。また、自分の歯を長期使用することを目的として、材料を厳選し、すべての作業を齋藤博のハンドメイドで提供しています。治療途中には仮歯や仮義歯を入れた状態で日常生活していただくことで使用時の問題点が明確になるため、問題点を解決した最終補綴物を製作可能となります。
5「ペリオ・クリーニング」
予定の歯科治療が終了した時点で、「100歳までおいしく食べられる」という目標に向かって、3ヶ月毎に来院していただく「ペリオ・クリーニング」が始まります。
1年間の会費は110000円です。
「サイトウ歯科」
47年のあゆみ
私の師匠織家勝先生は、先代からの歯科医院を近代的な歯科医療システムに変え、「歯を抜かない歯科医」としてマスコミで有名な歯科医でした。私が先生の診療室を見学した際、自分の未来はここにあると直感し、一番弟子として師匠のスピリットを受け継ぎました。
1977年5月に新宿駅南口で「サイトウ歯科」開業の際には、師匠の「歯を抜かない」を一歩進めた「生涯自分の歯を使えるようにする」を目標にしました。
100歳まで自分の歯を使うことは未知の領域でしたが、生涯自分の歯を使う目的で発案したペリオ・クリーニング40年の臨床経験から解決策が見えてきました。
47年という歴史を経た現在、「いつまでも美味しく食べられる歯科医療を提供することで健康寿命を100歳まで延ばす」を目標としています。
具体的には、齋藤博先生に診てほしいという患者さんを対象として、私の手になるハンドメイド医療とペリオ・クリーニングで管理します。すべてを齋藤博のハンドメイドで行っているため、担当させていただく患者さんに限りがあります。お待ちいただくこともあります。ご了承ください。
ハンドメイド医療とペリオ・クリーニング
サイトウ歯科
診療日 月・水・木(10:00〜16:00)
電話受付 月~木(9:00〜14:50)
電話番号 03-3374-7070
住所 〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-10-9 本間ビル3F(新宿駅南口より徒歩数分)
Instagram: @100saiha
ホームページ:saitousika.com
(参考)
自分の歯を100歳まで使うために
避けるべき口腔ケアと歯科治療
100歳までおいしく食べられるようにすることは、健康寿命を延ばす秘訣です。
昨今の「白い歯」「インプラント」「美しい歯並び」といったブームに乗った歯科治療は、
100歳まで自分の歯を使えるようにする目的ではなく、
かえって歯の寿命を短くする可能性があります。注意しましょう。
■「白い歯になりたい」という一心で、歯磨剤を付けた歯ブラシで強くこすり続けると、歯や歯肉が擦り減ることで、歯が長くなり歯を支える歯槽骨も減ってしまいます。歯を支える骨が減ることは歯周病が進行したことと同じ結果となり、減ってしまってから気付いても元には戻せません。
■ 薬品によって歯を白くするホワイトニング治療を長期にわたり続けると、歯が劣化し、さまざまなトラブルが起きてきます。
■ 頻繁に歯石除去治療を受けていると、歯根が削られ細くなります。術後、冷たい飲み物でズキンとくるようでしたら危険信号です。また、歯がグラつくまでになると、歯が抜ける可能性があります。
■ 白いジルコニアを材料とした被せ物治療を受けると、硬すぎる材料のため、噛み合う相手の歯を壊すことがあります。また、ジルコニアで被せた歯にトラブルが起きても、硬すぎて削れないため、再治療が出来ません。
■ 流行のアライナー矯正は、歯を抜かずに歯並びを揃えるため、虫歯でもない歯の側面を削ることがあります。削られた部分から虫歯になる可能性が非常に高くなります。
■ 現在の治療技術であれば、歯根だけになった歯でも、インプラントにすることなく修復可能です。まずは、自分の歯を抜かずに残すことが第一選択肢です。
■ 正しいケアを行うことで抜かなくてもよい歯があります。抜かれてしまうと100歳まで自分の歯を使うこととは無縁になります。親知らずについても、残したほうがよい場合もありますから、安易に抜かれないようにすべきです。
■ むし歯治療が必要になった時には、エナメル質を最大限に残す治療が必要です。歯を大きく削り白い被せ物にしてしまうと、長期的な視野で経過観察すると、結局は歯の寿命は短くなっています。
ハンドメイド医療と
ペリオ・クリーニング
サイトウ歯科
〒151-0053
東京都渋谷区代々木2-10-9 本間ビル3F
(新宿南口 徒歩数分)
診療時間日:
月・水・木
(10:00〜16:00)
電話受付:
月~木
(9:00〜14:50)
電話番号:
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